シナプス間隙を通常の神経伝達物質とは逆方向に伝達して順方向の神経伝達物質の伝達をコントロールする物質を逆行性伝達物質という。
代表的な逆行性伝達物質にエンドカンナビノイドがある。
カンナビノイドは苦痛回避を司る神経伝達物質であるが子どもでは抑制性であり、おとなでは興奮性である。
一つの神経伝達物質が抑制性と興奮性を担うというのは実に不思議なことである。
元々カンナビノイドは抑制性でありおとなになるにつれて逆行性カンナビノイドであるエンドカンナビノイドの働きが活発になると考えるとつじつまが合う。
おとなではより上手に苦痛回避を司れるわけだ。
物事の育成に関わる神経伝達物質にオキシトシンがある。
もし逆行性オキシトシンであるオキシトシンの逆行性伝達物質があるとしたらどうであろうか。
きっとより上手に育成を司ることができるはずだ。
この逆行性オキシトシンのことをエンドオキシトシンと呼ぼう。
エンドオキシトシンの働きが活発であるのがまさに人間なのだ。
これが動物と人間の違いなのだ。
エンドオキシトシンの働きが活発になるとオキシトシンはカンナビノイドのように抑制性から興奮性へと変わる。