固有値が実数となる正方行列はエルミート行列である

 固有値が実数となる正方行列はエルミート行列である。
 これを2次元行列の場合、確かめてみよう。
 今その行列を

とすれば

が成り立っている。ここでa、b、c、d、x、y、λは複素数である。よって

は実数であるからλが実数であるためには

である必要がある。

 Kは実数であるから

 (6)と(7)を比較して

 行列

はエルミート行列であることがわかった。
 量子力学では行列が物理量演算子、固有値が測定値となる。 我々は複素数の測定値を欲しないため、物理量演算子はエルミートであることを必要とする。

参考文献)
「工学系のための量子光学」井上恭 著 森北出版株式会社 2008年


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